デジタル診療
デジタルデンティストリー
デジタルデンティストリーとは、簡単に説明すると、歯科治療のデジタル化のことです。
今、ありとあらゆるものが、デジタル化されていますが、これは、医療においても同じです。
総合病院のみならず、街の歯医者さんにも少しずつ導入されてきています。
今まで、患者さまの負担や時間のかかった治療や検査も、デジタルデンティストリー化することにより、少ない負担で効率化をはかることに成功しています。
口腔内スキャナーとは?
口腔内スキャナーは、患者さまの「歯型」をとるためのものです。
虫歯の治療の他、矯正治療、入れ歯の製作といった時に使用する患者さまの「歯型」を3D口腔内スキャナーを使用してとると、型取りの過程が1回で済みます。
何度も位置を変えてスキャンニングする必要がなく、精度の高い歯型がとれます。
また、嘔吐反射の軽減等、患者さまの負担を減らせること、治療時間を短縮できることも大きな魅力です。
セレックとは?
セレック(CEREC)は、セラミック治療の際に使用する歯科用機器の1つです。
シロナ社の開発したこの機器は、1985年に”歯科用CAD/CAM”として初めて世界で臨床応用されるようになりました。
CADというのは、”Computer Aided Design”の略語であり、製造業や建築業でも用いられているものです。
コンピューターでデザインするもので、CAMはそれを削り、セラミックの義歯として仕上げます。
セレックは、アメリカやヨーロッパを中心とした世界中の歯科医院で使われていて、実績も1,000万以上あります。
デジタル歯型
従来の歯型の採取には、「印象材」を口の中に入れる必要がありました。
しかし、粘土状のものを口の中に入れるため、患者さまの中には、嘔吐反射を起こしてしまう方も少なくありませんでした。「歯型」が必要になる治療の場合は絶対に必要となるものでしたが、そのデメリットは非常に大きく、改善策が求められていました。
現在はそのデメリットを解消する”口腔内スキャナー”ができ、印象材不使用で、正確な歯型をとることができるようになりました。異物感は印象材よりも圧倒的に少なく、嘔吐反射がみられた患者さまの負担を大きく軽減しながら、歯型を採取することができます。
治療後の見た目を視覚的にみれる
患者さまの多くは、治療後の審美性、見た目を気にされていることと思います。
治療前に「どのような見た目になるのか、どんな形になるのか」みれたら、安心だと思いませんか?
デジタル化した歯型の場合は、それを使用して、治療後の見た目を患者さまもみることができるので、視覚的に判断しやすく、治療への理解も深まります。
矯正治療のビフォーアフターもみれる
矯正治療は、長い治療期間を要する治療となりますが、従来の方法ですと、治療後の歯並び、歯の形をみることができないため、「本当に綺麗な歯並びになるのか」と不安を抱えながら治療していた患者さまも多かったのではないかと思います。
しかし、近年は歯型のデジタル化や治療器具に専用のマウスピースを用いることで、治療前から、矯正後の見た目を患者さまにも把握していただくことが可能になりました。
自分の歯並びが今と比べてどう変わるかをみれるので、より納得の上、治療を進めていただけます。
これにより「思った通りの見た目にならなかった」などの後悔や失敗のリスクも減らせます。
患者さまの負担の少ない治療の提供
患者さまにとって、治療後の見た目を事前に知ることは、治療の不安や疑問の解消に繋がります。
・事前に治療後の結果を把握した上で治療に臨める
・条件反射のみられる患者さまの歯型採取の負担を減らせる
・治療後の歯並びをみた上で、矯正治療を検討できる
デジタルデンティストリーには、このようなメリットがあります。
普及し始めた頃と比べて、デジタルデンティストリーの精度はどんどん高まってきていて、従来の印象材を用いた型取りと、デジタルを用いた型取りの精度は、ほぼ同等であるという研究結果も出ています。
患者さまにとってもメリットの大きいものとなりますので、是非、歯科医療の進化を感じていただけると幸いです。